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# その夢、いくらで叶えましたか?

その夢、いくらで叶えましたか? 第2回

#02 Sayaka Imaizumi 今泉 冴也香さん
MY’S主宰。フローリスト、フラワーアーティスト

花と向き合うことで見つけた、
人と人とをつなげる役割、人と自分がつながる喜び。


美術大学で空間デザインを学んでいた今泉さんは、あるフラワーアーティストのアシスタントを経験し、花の魅力に引き込まれていきました。
さらに、大学時代のフラワーショップでのアルバイト経験を通して、お客様と触れ合う時間にも魅力を感じ、「花と人とを結ぶ延長線上に自分の夢が続いていること」を実感したそうです。
そして現在は、店舗を持たない花屋さんの他に、企業とコラボレーションし、ショーウィンドウや誌面を彩るフラワーアーティストとしても活動。




「学生時代、創作活動での貴重な体験、お客様の喜びのお手伝いができること、小売業での仕入れの大変さ。花を扱う仕事の良い面も大変な面も経験していく中で、やっぱり花はいいな、という思いが膨らんでいきました。でも、最初から独立願望があったわけではないんです」

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― 第1部 ―
花の魅力を伝える方法を模索する日々。
「違う業種からアプローチする可能性を感じていたんです」

-現在のMY'Sの活動では、企業とのコラボレーションやビジュアルアート作品も多く見られます。小売りではなく、創作や表現というアーティスト活動を軸とするまでに、どのような経緯があったのでしょうか?
学生の頃、空間デザインやインテリアを学ぶ中で、特に空間を彩る花に興味を持ちました。在学中に、あるフラワーアーティストのもとでオーダー作品やオリジナル作品の創作、さらには空間デザインや撮影に関わりました。そこで多くの素敵な作品を目にしたことで、花への興味がさらに大きくなっていきました。
その後、友人から大学の謝恩会で教授へ贈る花束制作の手伝いを依頼されたことがきっかけとなり、その友人とユニットを立ち上げてフラワーアレンジメントの制作依頼を受けるようになりました。当初は仕事になるような依頼がほとんどなかったのですが、知り合いからの依頼が徐々に増えていきました。その活動を1年ほど続け、仕入れの知識も身につけました。このユニットでの活動が、店舗を持たない花屋の原点になっています。

-そのユニットが現在の『MY'S』へ、形を変えるきっかけとなったのは何だったのでしょうか?
パートナーだった友人が辞めることになり、ひとりでやっていく覚悟を決めたことですね。
ユニットでの活動を始めたばかりの頃は、パートナーである友人と一緒に仕入れに行き、買ってきた花を分けて一緒にオーダー作品を制作する作業がメインでしたが、次第に自分でオーダーを取り、ひとりで制作するようになっていたので自然な流れではありました。
また、花屋での業務を一通り経験し、興味の対象が花そのものから、花を使った創作活動やフラワーアーティストとしての活動に移っていったんです。
そこで、屋号を考えて名刺やホームページを準備して、独立に向けて一気に動き出しました。『MY'S』という名は自分のあだ名が元になっています。「いまいずみ」という名字の真ん中をとった「まいず」。大学の友人たちから呼ばれていたこの響きに、"私だけのもの"というオーダーメイドの意味合いを感じ、造語的なイメージも気に入ったんですよね。それが『MY'S』誕生のきっかけです。

― 第2部 ―
突如としてはじまったフラワーアーティストへの道。
「不安はありましたが、なんとかするぞ!という気持ちでスタートしました」

-独立に向けて、お金の準備はどのようにしたのでしょうか?
独立といっても計画的に進めていたことではなかったので、花屋でのアルバイトを通して、自身の創作活動のための資金として貯めていた50万円程しかなかったと思います。その金額で事業をどう進めていくか不安は大いにありましたが、まずはやってみようという気持ちでした。

-準備を進める上で、こだわった点を教えてください。
費用をいかに抑えるか、という点です。フラワーアーティストの活動は、先行投資の世界なので、制作期間中は収入がなく、資材や花の費用がかさみます。その活動費を少しでも多く確保するために、店舗を持たないスタイルで事業を始めることにしました。独立当初は自宅の一角を、その翌年、『MY'S』として本格始動する際には、大学の先輩や同級生と共同で、東京・原宿のマンションの一室をシェアオフィスとして利用しました。

-店舗を持たない現在のスタイルのメリットはどんなことでしょうか?また、デメリットに感じることはありますか?
メリットは、廃棄やロスを最小限に抑えられることです。
個人のお客様からのブーケも、企業とのコラボレーションのお仕事も、注文をいただいてから、制作作業に取り掛かるので、無駄なコストが発生しにくいんです。

一方で、ショップというオープンな場がない点にデメリットを感じることもあります。メール中心のやり取りなので、お客様と直接お話する機会が限られるためです。花屋に勤務していた時は、目の前のお客様と直接会話しながら、お花を受け取る方をイメージして、ブーケやギフトを作ることができていました。
現在は、まず、できるだけ詳しくお客様の希望をお聞きして、それから具体的なオーダーを受けるようにしています。

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― 第3部 ―
これからのお金のこと。
「やりたいことを実現するため、お金ともしっかり向き合うようになりました」

-今泉さんにとって、「お金」の持つ意味はどのように変化してきましたか?
学生時代は実家で生活していたこともあり、当時のアルバイト代は、修行しながら活動費を得ている感覚でした。仕事を通して勉強させてもらっている意識が強く、たくさんお金を稼ぎたいという貪欲さもそれほどありませんでした。

でも、独立してからは、自分の仕事を充実させることも、この先も花に関わり続けることも、お金があってこそ叶うものだと実感しています。いつ大きな仕事が入ってきても対応できるように、まとまった貯蓄は用意しておかないと、という危機感が常にあります。なぜなら、花や資材の費用を先に支払う必要があるので、大きなお仕事を受けるときほど事前の蓄えが必要になるんです。目安としては100万円程ですが、1つのお仕事の仕入れで貯金がゼロになってしまっては、生活もできませんしその後につながりません。
ですから、私にとってお金は、自分のやりたいことや夢を叶えるために絶対的に必要なものへと変わりましたね。

-今後の夢はなんでしょうか? その夢を実現するためのマネープランを教えてください。
もっと直接、人と関わるために店舗兼アトリエを構えたいと思っています。その資金を準備するために、普段使用している口座とは別に、新しく口座を開設して貯蓄を始めました。

いつ何が起きても対応できるように、またチャンスを逃さないためにも、何年も先までイメージを描いて、計画的にお金の準備をしていくことが必要だと思っています。また、プライベートでも、将来家族を持って子供ができた時に、子供にはいろいろな選択肢を与えてあげたいという思いもあります。
具体的な方法として、今後は貯金以外も視野に入れないといけないなと感じています。今回のインタビューを機に、投資信託でのつみたて投資もその一つだと知りました。まとまったお金を投資に回すのはまだ難しいけれど、コツコツ少額ずつなら続けられるような気がします。

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人と人を繋げるために、人と自分が繋がるために、そして大好きな花の魅力を最大限に引き出すために──。

夢をひとつひとつ実現していくためには、収入や貯蓄としっかり向き合うことが大切だとおっしゃっていた今泉さん。
彼女はこの先の夢を叶えるため、お金という"原動力" をプラスに自分らしく、着実に夢への道を切り拓いています。

あなたは今、どんな夢を描いていますか?
夢に向かって挑戦するあなたを、Funds-iはこれからも応援し続けていきます。


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今泉さんが夢を叶えるまでにかかった金額

アトリエ賃貸準備費: 25万円

Webサイト制作と広告宣伝費:25万円

材料、資材費:30万円

TOTAL:80万円

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【プロフィール】
MY'S主宰 フローリスト、フラワーアーティスト
今泉 冴也香さん
多摩美術大学卒業後、在学中より勤務していたフラワーショップに就職。アシスタント業務を経て2012年に独立。『MY'S』の名で、ギフト、空間演出、グラフィックなどの作品からワークショップやイベントまで、多岐にわたる活動を通して、花と人とを結ぶ活動をおこなっている。

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